チャット会でも少し触れた金色姫伝説の要約を残しておきます。
「金色姫伝説」
・雄略天皇の頃(欽明天皇の頃との話もある)、天竺に旧仲国があった。
・帝はリンエ大王と言い、后と金色姫がいた。
・后の死後、新たに皇后を迎えるが、その後添えの皇后は金色姫を憎む。
・后は悪獣の住む山に捨てたり、熊鷹の多い山に捨てたり、離れ島へ流したり、生き埋めにしたりするが、姫はその度に助けられた。
・王は姫の身を案じ、他の国へ流した方が安全だと考え、桑の木で船を作り、姫を乗せ流した。
・船は常陸国豊浦湊へ流れ着き、権ノ太夫に引き上げられ大切に育てられる。
・しかし、間もなく姫は亡くなり権ノ太夫夫婦は悲しみ唐櫃に姫を納める。
・その夜、夢に姫が現れ、「食物を与えてください、必ず恩に報います」と告げる。
・唐櫃を開けると、姫は小さな虫になっており、桑の葉を与えたところすくすくと成長した。
・ところが、ある時虫は頭を上げてわなわなとしていた。
・夫婦は驚いたがその夜、再び姫が夢に現れた。
・曰く、「国に居た時、四度の苦しみを受けたので、休眠となって現れているのです。この後繭を作ることを船で学びました」と。
・繭が出来ると今度は、筑波山の仙人が現れ糸を取ることを教えられた。
・これが、この国の養蚕の始まりである。
と、金色姫伝説は大体このような話です。
この伝説は茨城県の蚕影神社に伝わる話だそうですが、1803年(1802年とも)に刊行された上垣守国の『養蚕秘録』という本にも載っているようです。